- 医療機器の営業って激務か気になる
- いまの環境と比べてみたい
- 自分に向いているのか判断つかない
- 医療機器の営業に興味あるけど自信がない
- 医療機器の仕事のやりがいを知りたい
医療機器の営業にどのようなイメージがありますか?
安定している業界・高収入・仕事が専門的・やりがいありそうなどでしょうか
実際にあてはまる部分もありますが、そのようなメリットだけではなくデメリットに思う部分もあります。
あらかじめ知っておくことで対処もしやすと思うので参考にしてください。
15年以上業界にいまして、医療機器の代理店とメーカー両方の営業経験あります。
業界特有の商習慣など「えっ」って思うような独特なルールや縛りなどあり、多分面喰ってしまうと思います。
そのうち慣れると思ってましたが、慣れないし理解できないこともいまだに。
どの業界も仕事なのでデメリットに感じることの方が多いと思いますが、以下実感としてまとめてます。
・拘束時間がやたら長い
・収入の浮き沈みが激しい
・医療費削減の方針で不安
・ルート営業なので飽きる
・出張や休日出勤も多いため家族に迷惑かかる
・理不尽に怒られる
・古いやり方から変えられない
・ベテランだらけで新陳代謝しない
拘束時間が長い
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-23-1024x585.jpg)
営業職なので外勤がメインです。
会社に9時に出社して17時になったら帰るという働き方ではないです。
直接担当施設に朝に直行することが多く、家から遠くの施設になると朝7時前には出発します。
メインの顧客は医師になるので診療中や手術中に面談はできません。
診療前の朝3分エレベータートーク、昼休憩時間の合間、診療終了後の夕方以降が面談機会になります。
移動時間がやたら長い
朝の「行ってきます」から100㎞先に1時間以上かけていくなんてザラです。
そこからさらに100㎞先に移動、さらに100㎞移動、そして100㎞かけて帰ってくる。
1日に300㎞以上運転することも良くあります。
担当エリアにもよりますが地方営業はこんな感じです。
首都圏は距離こそ短いものの、時間帯によっては慢性的に渋滞していることもよくあります。
10㎞先に1時間かかるなんてことも。
電車で移動したりなど工夫が必要になります。
とにかく運転に時間取られることも多く、事故や違反切符を切られるリスクもありデメリットになります。
そして、腰痛に悩まされることも多いです。
とっても疲れます。
待つのも仕事
相手にもよりますが、基本的に医師は忙しく病棟や診療時間など日によっても変わるので、約束していた時間きっちりに面談できることのほうが珍しいです。
最近はメールでのやり取りも増えて、簡単な案件はメールで終えることも増えました。
仕事案件を依頼したりなど、重要な仕事に関しては直接お話ししたり、確認事項など細かな対応が必要な場合はアポイントでの面談が今でも必要不可欠です。
お昼に約束して夜まで待つことは稀ですが、あります。
いちばん厄介なのが「ちょっと待ってて」と言われると待つしか選択肢が無くなることです。
待ってる間には「忘れられているのでは?」「もう帰りたいけど…」と悶々と過ごす羽目になります。
日が暮れて暗くなった待合のソファーは気持ちが沈みます。
いつでもスタンバイ状態
扱う製品によりますが、医療機器なので壊れたり、不具合を起こしたりもします。
いつ起こるかもわからないため、いつ呼び出されるかわかりません。
土日も昼も夜中も関係ありません。
映画見ている途中に着信着たりもあります。
もちろん、休日や夜間の手当はでますがプライベートの時間を大切にしたい人には苦痛です。
常に会社のスマホを持ち歩くので、ある意味どこにいても拘束され続けているといえます。
収入の浮き沈みが激しい
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-24-1024x585.jpg)
医療機器メーカーの営業、特に外資系は高収入が期待できます。
新製品が出た年はインセンティブも多くもらえることがあり、収入が100万単位で増えることがあります。
勘の良い方はもうわかると思いますが、税金も増えます。
インセンティブは、その時売り上げをあげたいから報酬としてニンジンをぶら下げてくれますが、長くは続きません。
翌年以降も右肩あがりで売り続けていかなければ、収入を維持できずに年収が100万単位で下がることもあります。
年収下がって、税金が上がる。
地獄です。
医療機器の代理店はいくら売ろうが売れまいが年収はほぼ横ばいです。
昇進して職能給以外に年収を増やす方法ありません。
デメリットに感じるかは人によります
医療費削減の方針で不安
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-22-1024x585.jpg)
少子高齢化真っ只中であり、加齢による基礎疾患は増え続けるフェーズです。
特に循環器領域では心不全パンデミックと言われるほど心不全患者が増加しており医療費増大が社会的問題にもなっています。
心不全にはペースメーカー、弁形成術、心移植など高額な治療が必要になり、国内の医療費全体の20%を占めるほどです。
心不全の原因は加齢によることが多く、患者増加は確実です。
毎年値段交渉にさらされ、売り上げも下がっていっています。
製品的に同等品がある場合は契約を切られ、切り替えられたりもあるのでストレスを感じるでしょう。
ますます高齢化が進み、医療財源も厳しいのでさらなる価格下落、過当競争に拍車がかかるのは間違いありません。
将来不安に感じてしまうのはデメリットです。
医療機器の営業における退職理由の上位に必ず入ります。
ルート営業なので飽きる
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-20-1024x585.jpg)
現地採用で入社することが多い業界です。
ゼロではありませんがエリア外への転勤は少ないです。
いったん担当先が決まると少なくとも3年、長ければ10年以上担当することもあります。
毎日同じ相手、同じ場所、やれる仕事も少なくなると「飽きます」
担当を変わればいいのでは?と思うかもしれませんが、担当期間が短いと「軽く見られてる」といったネガティブな反応があったり、担当期間が長いと「なぜ変えるのか?」と問い詰められたりもあり、いちど担当するとおいそれとは変えにくいものです。
指摘な担当期間の目安もありません。
飽きっぽい人にはルート営業はデメリットになり、向いていないと思います。
出張や休日出勤も多いため家族に迷惑かかる
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-19-1024x585.jpg)
特に土曜日がつぶれることが多い業界です。
エリアによって格差があります。
首都圏、関西圏は特にメーカー主催のイベントや主要な学会などで駆り出されることが多い。
多い時期は月の土曜日すべて休日出勤になる場合もあります。
「土曜日は平日」というマインドでいたほうが良いですね。
緊急で夜間休日に呼び出されるデバイスメーカーはさらに大変ですが、人の生き死にに左右する分野なので責任感が必要です。
プレッシャーに感じる人は向いてません。
もう一つ問題は家族に迷惑をかけてしまうことです。
仕事とはいえ、子供の行事や大切な日に仕事で立ち会えないのはデメリットしかありません。
家族、特に配偶者の理解が必要になります。
この業界、離婚率高いのもすれ違いから来るのかもしれません。*根拠なし
理不尽に怒られる
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-25-1024x585.jpg)
顧客を選り好みすることはできません。
医師だけでなく看護師さん、技師さん、事務方、代理店担当者など多くのコミュニケーションが必要になります。
人間なので「合う」「合わない」はあります。
それは仕方ないとして、時折理不尽に怒られたりする経験もあります。
たまたま機嫌が悪い、手術がうまくいかなかったなどで八つ当たりもあります。
その場にたまたま居合わせただけ、その辺で待っててと言われた場所で「なんでこんなとこにいるんだ!」と怒られたり…いろいろあります
経験を積むとNGはわかるようになり、躱せるようになります。
とにかく気をつけることは神経質っぽい人はなるべく避けて、不必要に近寄らないことです。
人から「天然」と言われたことある方は要注意です。
知らず知らず「出入り禁止」になることもあるので、お気を付けください。
古いやり方から変えられない
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-26-1024x585.jpg)
この業界特有かもしれません。
顧客である医師でも重要な顧客、例えば権威ある教授や院長などの役員クラスは高齢のパターン多いです。
これまでの実績、功績が素晴らしく尊敬することのほうが多いですが、その成功体験や学んできたことのサンクコストから、しばしば新しいことへの抵抗感が強くできる傾向あります。
医療は日進月歩で進化しているので、昨日までの常識が明日に覆ることもある世界です。
新型コロナへの対応など目の当たりにしましたが、初動の違いなどはっきりと影響あります。
社風も古い
The昭和の名残を感じること多いです。
つまり根性論が主流の世界です。
ロジカルシンキングやコンサル的なフレームワークなどありますが、まったく使えてません。
新製品が出るタイミングは明らかに差が出ます。
若い世代で仕事できる人は、古い体質を嫌がって転職していくことが多く、残っているのはベテランばかり。
社内的な新陳代謝のスピードは遅い傾向あります。
保守的でスピード感が弱く、バリバリ働きたい人にはデメリットになります。
誘惑が多い?
医療機器営業の仕事と話題が変わります。
得意先は看護師さんが多く、出会いなど多くあります。
特に手術用医療機器を扱うメーカーは手術室での活動が多くなるものです。
病院の病棟や手術室やICUなど基本的には閉鎖された空間で患者さんくらいしか異性との接触はないです
患者さんといっても高齢者が多く、恋愛対象にはなりにくいでしょう。
また、看護師さんの勤務形態も特殊で日勤、夜勤、準夜勤など働く時間帯も休日も不規則です。
基本的に出会いが少ない環境なのです。
そこに現れるビシッとスーツを決めた、人当たりの良さそうな営業マンはモテます。
メリットに思われますが、得意先で問題を起こすと仕事に支障が出てしまう可能性があります
既婚者の場合は、家庭崩壊のリスクにもつながるのでデメリットになり得るといえます。
チャラい先輩方の武勇伝を聞かされることもあります(笑)
昔と違いコンプライアンスも厳しい時代ですので、誘惑に負けず仕事と割り切るといいでしょう。
まとめ
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/image-18-1024x585.jpg)
・拘束時間がやたら長い
・収入の浮き沈みが激しい
・医療費削減の方針で不安
・ルート営業なので飽きる
・出張や休日出勤が多く、家族に迷惑かかる
・理不尽に怒られる
・古いやり方から変えられない
仕事なのでデメリットはあげればキリがありません。
ただ人によって感じ方が違うと思うので、どこまでを許容するかは決めておいた方が良いでしょう。
どの職種でも業界でもデメリットはゼロにできません。
デメリットが多いということはメリットもその分多いとも言えます。
収入には代えられない現実もあるので、折り合いさえつけば悪くない仕事です。*説得力なし
![](https://www.healthtechcareer.com/wp-content/uploads/2024/01/3c82ac8832481537a43b522d9049d482.jpg)